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こんにちは!このメールは名刺交換をさせていただいた方へBCCにてお送りしています。

前回うちのPGで飼っていた犬のクーパーが売られてしまったというお話をさせていただきましたが、Diwaliの旅行から帰ってくると(バラナシへ行っていました。)大家さんのお子さんが「See! New dog!」と嬉しそうに言ってきました。恐らくインドに来て一番目を見開いたのではないかというぐらい目に力がこもったのですが、彼が抱えているのは生後2ヶ月の小型犬でクーパーとは違いとても大人しく毛のモコモコした子犬でした。とてもかわいいです。とてもかわいいのですが、なんで買っちゃったの?という疑問が大きく子犬のかわいさも二の次です。聞いてみると「モジョは大人しいから何も悪さしないよ!」とのこと。モジョは子犬の名前です。犬種は長かったので覚えておりませんが成長しても2Kg にもならないらしく、やはりクーパーと比べても飼いやすいのでしょう。しかし、彼の次の言葉には驚きました。「クーパーももうすぐ戻ってくるし。」いや、売ったんちゃうんかい!というような話ですが、買戻しを考えているんだとか。それならなんでモジョを買ってきたのかも分からないですし、筋肉質のクーパーとモコモコしてるだけのモジョがけんかでもしたらモジョが大怪我をするのは火を見るよりも明らかというものです。
「クーパーとモジョけんかしたらどうするの?」と聞くと「しないから大丈夫だよ!」とのこと。彼の方が私よりもクーパーと過ごした時間は長いでしょうからその分クーパーのことをより理解しているんでしょう。そもそも大家さんに赤ちゃんが生まれたばかりなんだからもっと時間を置けばいいのにと思わずにはいれません。ただ息子さんの目の輝きよりもお父さんの大家さんの目の輝きの方が強いのでこれはもうどうしようもないんだろうなぁと思います。
モジョという名前を初めて聞いて「Mojo India」で調べてみるとMahindra社にMojoというバイクがありました。ということはクーパーはイギリスのMini Cooperから来ているのでしょうか。適当に付けてるのかと思いきやしっかり考えていたのかもしれません。

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さて前回はインドの神様のクリシュナについてのご紹介をさせていただきました。インドの神様に興味を持っていただくきっかけとなればと思います。
今回で50回目ということでこの回を最終回とさせていただきます。今まで送らせていただいた内容はウェブページにまとめましたのでまたお時間ございますときに振り返っていただければと思います。できれば50回目にふさわしいような内容を持ってこれれば良かったのですが、考えれば考えるほど時間は過ぎていきますので書いていく中で、これは使えますよ!という表現をその都度ご紹介させていただければと思います。

ヒンディー語会話表現の内容は普段の生活に必要な表現を皆様にご紹介していく、という考えのもと進めてまいりましたがヒンディー語を皆様に自在に使っていただくためにも文法の説明が必要になることもしばしばであり表現とはまた違う文法紹介となっていた面もあり堅苦しい内容になって分かりづらかったもしれません。失礼いたしました。文法内容は私が今まで大学で勉強してきた内容とそこが曖昧な場合は「ヒンディー語独習コンテンツ(http://el.minoh.osaka-u.ac.jp/flc/hin/)」の内容を参考に作らせていただきました。なので皆様もデーヴァナーガリー文字をマスターされた際には是非ともそちらのページにて更にヒンディー語を突き詰めていっていただければと思います。
「~してください」は複合動詞「レーナー(自分のために~する)」と同じく「デーナー(誰かのために~する)」のそれぞれ不確定未来の複数形「レーン」、「デーン」をつけることにより表現できます。
例えば、

・デャーン ラク レーン
(注意)(置く)(してください)  「お気をつけください」

「デャーン ラクナー」で「注意する」です。そこに複合動詞「レーナー」の不確定未来の複数形「レーン」がついてちょっと婉曲のようなニュアンスで「(あなた自身のために)~していただけますか」という表現になります。

・ イス コー  コピー カル デーン
(これ)(を)(コピー)(してください) 「これをコピーしてもらえますか」

この例文では複合動詞「デーナー(誰かのために~する)」の不確定未来の複数形「デーン」がついて、「だれか」のためつまり「話者」のために「~してくれる?」というニュアンスがこもっています。

なので相手の自主的な行動を促すときには「動詞の語根+レーン」、何かを依頼するときには「動詞の語根+デーン」で使えます。
私は皆様にどんどんヒンディー語を使えるようになっていただきたいので

・コーシーシュ カル レーン
 (努力) (してください) 「頑張ってください」

と言えます。「レーン」や「デーン」を丁寧な命令形の「リージエー」や「ディージエー」にしてもほとんど同じです。
使う機会が多いのは恐らく

・イエ カル デーン
(これ)(してください) 「これをやってもらえますか」

だと思いますのでどんどん使っていってください。

さてこのヒンディー語会話表現ですが、第1回のときに「ヒンディー語を学んだものとして何か貢献できることはないかと思い、」ということで始めさせていただきました。もちろん貢献させていただけたらと思う気持ちもありましたが一番のきっかけは5月に初めて参加させていただいた三木会にあります。三木会といえば皆様ご存知の通り毎月第三木曜日に日本大使館にて行われる会議で着任、離任の挨拶があり私も畏れ多くも着任の挨拶をさせていただきました。その挨拶の中で「インド人の話すヒンディー語がさっぱり分からない」と自嘲気味に話したんですね。家に帰ってから「あんなこと言わなかったら良かったなぁ。ヒンディー語専攻なのにヒンディー語が全然分からないって思われるのは恥ずかしいなぁ」と思い、もし弁明するチャンスがあるのなら「あんなこと言っていましたがしっかり3年間勉強してきましたしヒンディー語は大体分かります」と伝えたいと思っていました。しかしそんなチャンスが来るでもなく何とかしたいという気持ちだけが残って考えたのがこのヒンディー語会話表現でした。始めさせていただいた当初はまだまだ気楽な調子でやって参りましたが、自分自身も勉強しなおさなければいけないと強く思うようになり家でも頻繁に辞書をめくる習慣がつきました。
ヒンディー語の辞書についてですが、これは是非とも各社に一冊ずつ揃えていただければと思います。私が使用しているのは
古賀勝郎、高橋明『ヒンディー語=日本語辞典』(2006年/大修館書店)
で、冒頭にヒンディー語の発音、文字、文法が記載され、見出し語約8万語という膨大な語彙量です。単語だけでなく熟語ももちろん収録されており単語に関連した文化の紹介もあったりととても充実した内容になっています。
デーヴァナーガリー文字が読めないと辞書を引くことはもちろん不可能ですが、ひとたび読めるようになるとどんどんインドの世界に入り込んでいけるようになりますし、読めないままでもインド人スタッフに辞書を引いてもらってその言葉の意味を知る、ということもできます。スタッフさん達も、日本人がインドのことを知ろうとしている、と前向きにとらえて労使関係も良好なまま進んでいくかもしれません。
「辞書」は「シャブドコーシュ」と言います。「シャブド」が「言葉」で「コーシュ」が「辞典、まとめたもの」という意味です。

インド北部のヒンディー語圏で生活していても普段接する人たちは英語を話すのでヒンディー語を日本人はそこまで勉強する必要はないのかもしれません。政府がヒンディー語をインドの国語にしようとしても南インドの人たちの中にはヒンディー語なんて勉強する気はないし、仕事なんて英語をマスターした方が多いんだから英語に力を入れる、という方も多くいます。極端な言い方をすれば、ヒンディー語とはインド人でさえ勉強する必要が無いと思っている言語です。そんな状況の中でヒンディー語を勉強する意義が何なのかと聞かれれば、それはやはり言語とはあくまで意思伝達の手段の1つに過ぎず、その国の真髄を知るための踏み台であるため、その国を深く理解するにはそこの言語を知っておく必要がある、と返答できます。
なので皆様におかれましても、是非ともヒンディー語をどんどん口にしていっていただきまして、どんどんインドという魅力に溢れた国のエネルギーを吸収していっていただければと思います。
ただ、やはりインドでは多くの言語が話されていますのでインド全土をマスターしようとすればインド全土の言語に触れていただく必要がありますね。
私はヒンディー語しか分かりませんので、今度はテルグ語、タミル語、マラーティー語などを勉強している人を捕まえてそれぞれの言語から分かるその地域の魅力を感じていただければと思います。

最後になりましたが、毎週毎週私の拙い文章が届いても文句なしに受け入れてくださり本当にありがとうございました。
皆様のお陰様で日本にいては感じることができなかったであろう様々な感情を感じ、多くの事柄にチャレンジすることができました。
私はあと数ヶ月で帰国しますが、皆様は任期満了までインドでベストを尽くしていかれることと思います。どうぞお体にはくれぐれもお気をつけください。
本当にありがとうございました。



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